-大きく分けると2つ-
オンラインを活用して海外の消費者に商品を販売する越境ECですが、大きく分けると「ECモール利用型」と「自社ECサイト構築型」の2種類があります。
■ECモール利用型
アマゾン、イーベイ、ティーモール、ショピー、など
■自社ECサイト構築型
ショピファイ、ビッグコマース、ウーコマース、など
ECモールは最大手であり日本でもおなじみの「Amazon」や海外では知名度の高い「ebay」などが該当します。ebayは日本でいうところの「楽天」と「ヤフオク」を合わせたようなもので、定額販売に加えてオークション機能などもあります。
中国・東南アジアなどにもT-mallやShopee等独自のECモールがあります。
一方自社ECサイト構築は、日本で例えるなら「BASE」や「STORES」などのサイト制作サービスを活用する方法で、現在海外では「Shopify」が最も知名度が高く人気です。私もShopifyで制作したECサイトを運営しています。
-比較表-
ECモール活用型と自社ECサイトの構築を簡単に比較すると以下の通りとなります。
手数料 | 集客・ 広告宣伝 | 自由度 (サイトデザインなど) | 固定客作り | 初期投資額 | |
ECモール利用型 Amazon,ebayなど | 高い 販売手数料15~20% +月額利用料 | 不要 集客力が高い | 低い 定められた規定の中で可能 | 難しい | 低い 数千円~ |
自社ECサイト構築型 Shopifyなど | 安い 決済手数料3~4% +月額利用料 | 必要 Web広告やSNS・ブログの発信など | 高い ブランドイメージ築きやすい | 取り組みやすい | 高い 数十万円~ |
-メリットとデメリット-
■ECモールのメリット・デメリット
ECモールに出店して始めるメリットは何といってもモールの集客力の高さを活用できることです。知名度が高く毎日多くのユーザーが訪れるため、毎月の月額利用料さえ払えば特に広告などを出さなくても商品が売れていきます(モール内で広告を出すことも可能です)。出品の方法も簡単なものが多く、プログラミングの知識なども不要なため簡単かつ低コストで出品することができます。
デメリットは商品が売れるたびに販売手数料(15%~20%)が取られてしまうことです。「売れるんだけどそんなに儲からないなー」みたいなことが起こりがちです。また、当然ですが商品ページなどのサイト作りにはモールそれぞれの制約があるため、ブランド力を高めるためのお洒落でこだわったサイトなどは作りづらいです。お客様の個人情報(メールアドレスや電話番号)なども取得しづらく、固定客・常連客作りもなかなか難しい傾向があります。
■自社ECサイトのメリット・デメリット
自社ECサイトを制作するメリットはサイト作りの自由度の高さが挙げられます。動画やスライド写真などを組み込んでデザイン性が高くブランドイメージに近いページ作りが可能です。InstagramなどのSNSと連携して、顧客の流入を図ったりブランド愛好者との交流を図ったりすることも可能です。また、手数料なども低いことからECモールへの出店と比べると高い収益性を期待できます。
デメリットはブランドに認知度・知名度が無い場合、集客に手間やコストがかかることです。最初はコストをかけてWeb広告などを打たないと誰も訪問してくれないでしょう。そのWeb広告費は固定費として収益を圧迫するため、売上を上げて軌道に乗せるまでは赤字で進むことが多いと思います。SNSを積極的に展開して流入を図る方法もありますが、SNSはどちらかというと時間をかけて地道に取り組んで成果がでるもののため即効性は期待しない方がいいと思います。自社ECサイトは長い目で見てじわじわと成長させていくイメージで取り組んだ方がよいでしょう。
また自社ECサイトは一見さんの多いECモールと異なり、顧客満足度を高めて固定客・常連客を育んでいくビジネスモデルのため、丁寧な問い合わせ対応や定期的なメルマガ配信などが必要となります。そのため越境ECの場合はある程度の英語力が必要になってきます。語学に全く自信の無い事業者さんには少しハードルが高いと感じるでしょう。
それぞれのメリット・デメリットをまとめるとこんな感じです。
メリット | デメリット | |
ECモール |
|
|
自社ECサイト |
|
|
これ以外にも沢山あると思いますので、また定期的に情報発信していきたいと思います。
最初は費用をかけたくない、すぐに結果がほしいという事業者さんはECモールから、長期的な視点で地道にブランド作りに取り組みたい事業者さんは自社ECサイトの制作をといったところでしょうか。もちろん両方並行して進めることも可能ですので自社にあった取り組みをよくご検討ください。